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実践から分かってきた、人的資本経営の押さえどころ

2023年の3月期決算から、上場企業を対象に人的資本開示の一部義務化が始まり、より一層人的資本経営の強化が求められています。しかし開示内容に具体的な指針がないため、模索しながら人的資本経営を進めている組織が多いのではないでしょうか。本セミナーでは、どのように人的資本経営を実践していったらよいのか、そのヒントをご提供します。

※本ウェビナーレポートは、2023年6月15日に実施した「実践から分かってきた、人的資本経営の押さえどころ」の内容をまとめたものです。

<登壇者情報>
株式会社ビジネスコンサルタント  
執行役員/ヒューマンキャピタル&サーベイソリューション部長 瀬戸貴士
ゼネラルマネジャー 大塚規男
デジタルコラボレーションセールスチーム リーダー 小西智也

 

1.伊藤レポート2.0の解釈と具現化

VUCA(ブーカ)時代において、持続的な企業価値を創造するために、人的資本の充実に取り組む企業が増えています。企業内外の環境変化や人的資本経営の基本的な理解については、以前のウェビナー※でもご案内しました。

※詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
人的資本経営×タレントマネジメントシステム 活用の3ステップ
https://trend.bcon.jp/humancapital_talentmanagement/

ここではさらに話を進め、指針となる「人材版伊藤レポート2.0」における弊社の捉え方をご紹介しながら、人的資本経営の実現に向けた全体像を解説します。

人的資本経営に欠かせない無形資本

資本には、有形資本無形資本があります。人的資本は無形資本に分類されます(図1)。

5つの経営資本:人的資本経営の根幹の図
図1 5つの経営資本:人的資本経営の根幹

図1は弊社が2010年から提唱している「5つの経営資本※」です。有形資本の充実は、無形資本の充実なくしてはできないことを表しています。

無形資本は人的資本を含め4つに分けることができます。土台として存在するのがIdeological Capital(らしさ、社風、伝統)です。そこに根付いて形成されるのがHuman & Social Capital(人的資本や社会関係資本)です。柱となるHuman & Social Capitalから、Technological Capital(技術的資本)やIntellectual Capital(知的資本)が発展し、Financial Capital(財務的・経済的資本)が最大化します。

無形資本をこのように構造化することで、人的資本経営を推進する上での課題をさらに整理することができます。本セミナーでは、この無形資本に焦点を当てて人的資本経営を実践していくためのヒントをご紹介していきます。

※詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
5つの経営資本(The Five Capitals)
https://www.bcon.jp/company/the-five-capitals/

伊藤レポート2.0の具現化

弊社は人的資本経営を「攻め」と「守り」に分けて捉えています。

攻め」の人的資本経営のキーワードは「見える化、マッチング」です。これは、伊藤レポート2.0を中心とした取り組みです。「守り」の人的資本経営のキーワードは「見える化、測定」です。これは、ISO30414を中心とした取り組みです。

ISO30414とは、スイスのジュネーブに本部を置く非営利法人「国際標準化機構(ISO)」が2018年に発表した人的資本の情報開示に関する国際ガイドラインです。
両方重要ですが、今回は「攻め」の人的資本経営に焦点を当ててご案内します。

以下は、人材版伊藤レポート2.0に掲載しているモデル図です(図2)。

人材戦略に求められる3つの視点・5つの共通要素の図
図2 人材戦略に求められる3つの視点・5つの共通要素
出典:人的資本経営の実現に向けた検討会、 報告書 (人材版伊藤レポート2.0)(経済産業省)https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/pdf/report2.0.pdf

弊社は、さまざまな施策を上から下に流れていくように展開することが必要だと考えています。人材戦略においては、図の中央部にある赤枠の「動的な人材ポートフォリオ」がカギとなります。※

※詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
人的資本経営×タレントマネジメントシステム 活用の3ステップ
https://trend.bcon.jp/humancapital_talentmanagement/

弊社では、さまざまな組織において人的資本経営の取り組みに伴走していますが、その代表的な展開イメージをご紹介します(図3)。

弊社が伴走する人的資本経営の全社展開の図
図3 弊社が伴走する人的資本経営の全社展開

図3中の左部分にある現状把握(人材の見える化)のための人材傾向分析を起点として、仮説実践検証の順に展開していきます。各施策の起点は人材傾向分析とも言えます。中期計画単位で人材傾向分析を実施し、現状把握からその先の計画を立てて進行します。

\守島教授対談/企業の成長を後押しする人的資本経営の実践|DL資料 人的資本経営を実践するに当たって、企業は人の何を知り、何を支援したら良いのだろうか。今回は、50年以上にわたり、人と組織の変革を支援し...

次章では、人的資本経営を実現するための具体的な展開方法についてご案内します。

2.わが社版の人的資本経営に取り組むRPDC

人的資本経営を実現するためには、前述の基本的な展開(図3)を基に、具体的な施策をRPDCに沿って実践する必要があります。RPDCとはリサーチ:Researchプラン:Planドゥ:Doチェック:Checkの頭文字を取った言葉です。しっかり現状を調査した上で、現状とあるべき姿から行動計画を立案し、実践、検証するという意味です。この章では、具体的な施策を整理し、取り組むべきステップとして解説します。

人材の価値を最大限に引き出し、実践するための8ステップ

人的資本経営の具体的な施策については、それぞれの企業で試行錯誤しながら取り組んでいるのが実態だと思います。さまざまな組織の取り組みを踏まえ、人的資本経営の導入に向けた取り組みを一般化しました(図4)。

人材の価値を最大限に引き出し、実践するための8つのステップの図
図4 人材の価値を最大限に引き出し、実践するための8つのステップ

取り組みは大きく3つ「あるべき姿(To be)」「現状の姿(As is)」「行動計画(Action plan)」で、8つのステップに分かれます。基本的には、ステップの順番に沿って取り組みます。実際にはスムーズに検討が進むことばかりではないので、ステップを行ったり来たりすることもあります。最終的に、行動計画まで明確になった後、実践に移ります。

まずは、「あるべき姿(To be)」での取り組み内容について、具体的に解説します。

あるべき姿(To be)

「あるべき姿(To be)」では、目指す姿やビジョンなど将来の姿や戦略計画、必要な人材像を明確にします。「あるべき姿(To be)」で明確にすることは3つです(図5)。

あるべき姿(To be)の概要の図
図5 あるべき姿(To be)の概要

STEP① 目指す姿・ビジョンの設定

会社のビジョンや夢を明確にします。これが全てのスタートです。
「目指す姿・ビジョン」は、すでに策定している組織も多いと思いますが、不明確なまま取り組んでいるケースもよく見受けられます。すでに持っている組織でも、経営幹部インタビューや戦略計画書で背景も含めて確認し、必要な場合は見直していきます。この段階からさらに明確にする場合は、バックキャスト思考でビジョンをつくることもあります。

STEP② 戦略・事業計画の策定

ここでは、STEP①で明確になった「目指す姿・ビジョン」を実現するための、具体的な戦略や事業計画を明確にします。
多くの組織は既に「戦略・事業計画」を策定していますが、この段階で社内外の調査を通じて、自社の強みや課題の抽出に取り掛かる組織もあります。社内調査や顧客調査を実施し、自社の戦略が目指すビジョンを達成できるものか、自社の強みは何かを再確認するためです。

STEP③ 必要な人材像の明確化

このSTEPが人的資本経営の核となる部分です。
STEP②で明確になった「戦略・事業計画」を遂行するために、必要な人材はどのような人材かを明確にします。具体的には、以下の3つに取り組みます。

1)想定ハイパフォーマーが取るべき行動の検討
2)想定ハイパフォーマーの行動につながる資質やスキル等の検討
3)ロールプロファイルの作成

1)では、想定ハイパフォーマーが取るべき行動について検討します。その際、「戦略・事業計画」を推進する「具体的な行動」を明確にすることがポイントです。この戦略の実現にはこの行動が理想だというものを明確にします。

そして、2)の想定ハイパフォーマーの行動につながる資質、すなわちコンピテンシーやスキル等の検討を行います。その後、1)と2)の情報を統合して3)のロールプロファイルを作成します。

ロールプロファイルとは、人材像を定義したもののことです。「戦略遂行上期待される行動」 「KPI(測定指標)」 「ビジネススキル」 「コンピテンシー(資質、思考行動特性)」 の4つの要素で構成され、「目指す姿・ビジョン」の実現に必要な活動を行う人材に求められる要件を定義します。

以上のように、「あるべき姿(To be)」では3つの明確にすべきことがあります。しかし、実際には自社の「目指す姿・ビジョン」「戦略・事業計画」そして「必要な人材」のいずれかが明確になっていないため、人的資本経営のスタートが切れないというケースが散見されます。まずは、この「あるべき姿(To be)」が明確かどうかを確認することが非常に重要です。

現状の姿(As is)

「あるべき姿(To be)」が明確になれば、次は「現状の姿(As is)」です。現時点で、自社の人材がどのような状況にあるのかを明確にします(図6)。

現状の姿(As is)の概要の図
図6 現状の姿(As is)の概要

STEP④-1 人材量の把握

「あるべき姿(To be)」のSTEP③で明確にした「必要な人材」が、現在どれだけ社内にいるのかを把握することが重要です。具体的には、以下の3つに取り組みます。

1)人材傾向調査で人材のコンピテンシーを見える化
2)人材のコンピテンシーの波形を用いた人材ポートフォリオの作成
3)現有スキルマップなどの保有能力データとのクロス分析による詳細実態の把握

この段階で、必要な人材が社内に充足していれば、すぐに人的資本経営の実践に移れるかもしれません。しかし、必要としている人材が不足している、またはこれから育成しなければならないという課題が出てくるケースの方が多いです。

STEP④-2 人材傾向の把握

そして、STEP④-1と合わせて現在の人材が保有する力は何なのかを明確にします。ここでは以下の3つに取り組み、チェックしていきます。

1)ロールプロファイルの行動レベルの遂行状況のチェック
2)ロールプロファイルのコンピテンシーレベルの発現状況の診断
3)ロールプロファイルのスキル・知識(能力要件)の保有レベルチェック

このSTEP④-1、STEP④-2を明確にすることが「現時点の人材を分析すること」になります。

STEP⑤ 人材のエンゲージメント

STEP④に加え、働いている状況や現在の人材のコンディションはどのような状況なのかを明確にしていきます。
人材が持つ資質、能力を遺憾なく発揮するためには、最適な職場環境が必要です。職場や組織環境が人材のパフォーマンスに大きく影響するからです。ここでは、以下の3つのサーベイを活用して、コンディションの分析をしていきます。

1)従業員エンゲージメントの実態把握調査
2)組織活動に対する従業員認知(ポジネガ)診断
3)組織・職場の自己革新力の診断

1)の「従業員エンゲージメントの実態把握調査」では、サーベイを実施し、エンゲージメントがどのような状態なのかを把握します。組織の中で生きがいや働きがいを持っているか、自社との結びつきがどれだけ強いのか、自社のためやお客さまのために頑張っていこうという気持ちになっているかによってパフォーマンスも大きく変わります。

そして、2)の「組織活動に対する従業員認知(ポジネガ)診断」です。弊社では「組織効果性サーベイ」を使ってコンディションの状態を把握することもあります。戦略について理解しているか、その戦略から落とし込まれた業務は適切か、その業務を行うための人材育成や社内の制度や仕組みは整っているのかなどを把握できます。

3)の「組織・職場の自己革新力の診断」も重要です。変化に対しての対応力を測ります。弊社では「アジリティサーベイ」で診断する場合もあります。新しいことに取り組む際の、組織や職場の機敏性や変化への志向性について把握できます。

ここまでご紹介した「あるべき姿(To be)」と「現状の姿(As is)」が明確になったら、「行動計画(Action plan)」に進みます。

行動計画(Action plan)

ここでは、「あるべき姿(To be)」と「現状の姿(As is)」を踏まえた課題形成と、実践に向けた取り組みや実行体制を検討します(図7)。

行動計画(Action plan)の概要の図
図7 行動計画(Action plan)の概要

「行動計画(Action plan)」で明確にすることは3つです。

STEP⑥ ギャップの把握

「あるべき姿(To be)」と「現状の姿(As is)」とのギャップの分析を行います。ここでは、以下の3つの取り組みにより、ギャップを明確にします。

1)目指す姿・ビジョンと現在の姿とのFit&Gap分析による課題抽出
2)ロールプロファイルと現有人材状況とのFit&Gap分析による課題抽出
3)人材のコンディションと理想形とのFit&Gap分析による課題抽出

STEP⑦ 具体策の立案

STEP⑥で明確にしたギャップを埋めるために、必要な施策を明確にします。
ここでは、具体的に以下について取り組みます。

1)経営幹部による対話ミーティング
2)各種人材育成施策
3)組織や職場開発の実施

1)の「経営幹部による対話ミーティング」では、人材像について、経営幹部間で対話をしながらイメージをすり合わせます。

2)の「各種人材育成施策」も重要です。ロールプロファイルとFit&Gap分析結果を踏まえ、必要な教育や育成施策が明確化します。研修の内容や今後のキャリアデザインの大本になります。

そして、3)の「組織や職場開発の実施」についても検討します。人材のコンディション良化に向けたさまざまな施策を検討する必要があります。例えば、弊社では組織開発や診断型ODを展開しています。

また、今までご紹介した図4「人材の価値を最大限に引き出し、実践するための8つのステップ」のSTEP①からSTEP⑥の取り組みをせずに、STEP⑦の具体策に取り組んでいるケースもよく見受けられます。

しかし、自社にとって本当に必要な施策かどうか十分な検討をせずに取り組むことになります。そのため私たちは「あるべき姿(To be)」と「現状の姿(As is)」のギャップ分析をすることが重要だと考えています。

STEP⑧ 具体策の運用体制

STEP⑦まで明確にできれば、具体策を運用する体制、すなわちマネジメントや制度、仕組みをどのように整えるか、タレントマネジメントシステムをいかにして活用するかを検討できます。ここでは、具体的に以下の3つに取り組みます。

1)人事諸制度の改定
2)1on1ミーティング実施やマネジメント革新
3)タレントマネジメントシステムの導入

1)の「人事諸制度の改定」ように、新戦略遂行のための制度面をどのよう改定するかも必要です。
2)の「1on1ミーティング実施やマネジメント革新」のように、作成したプランを現場のOJTに落とし込むためにも、上司と部下の1on1ミーティングを効果的に展開していくことも重要です。

さらには、3)の「タレントマネジメントシステムの導入」のように、人材傾向やコンディションデータを蓄積し、分析するためのタレントマネジメントシステムの導入も大切です。

3.人的資本経営を実践するためのタレントマネジメントシステム 

ここからは、人的資本経営を実践するためのタレントマネジメントシステム(TMS)の活用についてご案内します。

データを分析し活用する仕組みづくり

第1章の「伊藤レポート2.0の解釈と具現化」で説明したように、人的資本経営を全社で展開するためにはデータの活用が欠かせません(図8)。

人的資本経営とタレントマネジメントシステムの関係の図
図8 人的資本経営とタレントマネジメントシステムの関係

図8のように、現状把握で行った人材傾向分析や、実践から収集した各種データをタレントマネジメントシステムに統合し、そのデータを効果的に分析・活用する仕組みづくりが、人的資本経営の実践には不可欠です。
この仕組みづくりのステップを以下で解説します。

タレントマネジメントシステム活用の3段階

弊社は、人的資本経営を実現するためのシステム活用状況を、3つの段階で捉えています(図9)。

タレントマネジメントシステム活用の3段階の図
図9 タレントマネジメントシステム活用の3段階

第3段階の「組織課題の解決」に至るためには、第1段階の「データの一元化」第2段階の「業務の効率化」に順番に取り組む必要があります。第1段階と第2段階の過程では、さまざまなデータが集まります。そのデータを分析し活用することで、初めて第3段階の「組織課題の解決」ができるようになります。

また、第3段階まで到達できない、よくある理由を挙げました(図10)。

第3段階まで到達できない理由と解決策の図
図10 第3段階まで到達できない理由と解決策

図10のような問題を解決するためには、右側の青色枠内の記述を参考に取り組みましょう。トレードオフではあるのですが、端的に言えば、タレントマネジメントシステムの特徴やその操作方法を理解することが重要です。

実現したいヒューマンキャピタルのエコシステム

タレントマネジメントシステムを効果的に活用すれば、高度なタレントマネジメントが実現できます。弊社が実現を推奨する「ヒューマンキャピタルのエコシステム」についてご紹介します(図11)。

実現したいヒューマンキャピタルのエコシステムの図
図11 実現したいヒューマンキャピタルのエコシステム

ポイントは「組織視点・社員視点双方で活用できるエコシステム※」であることです。どのようなものなのか解説します。
※エコシステム…ICTサービスの文脈では、さまざまな製品からのデータ出力と入力により、全体のシステムとして形成するさまのこと。このエコシステム内では、人事担当者から経営者、社員、外部パートナーまでが一体となり、採用から育成、評価に至るまでのプロセスを一元管理される。

組織が社員を活用する(組織視点)

図11の左側は「組織が社員を活用する」という視点です。
タレントマネジメントシステムに人材ポートフォリオを取り込むことで、組織内のどこにどのような人材がいるのかが分かります。そうすることで、現状の姿(As is)が明確化され、あるべき姿(To be)とのギャップを認識することができます。自社の人材を戦略的に配置変更することもできますし、目標に合わせた人材開発が可能になります。

社員が組織を活用する(社員視点)

次に、図11の右側「社員が組織を活用する」視点を見ていきます。
タレントマネジメントシステムにアクセスすると、自社の人材ポートフォリオや自社でのキャリアを把握することができます。また、現在の自分の能力もタレントマネジメントシステムで「見える化」されているため、なりたい姿と今の自分とのギャップを認識することもできます。そして、ギャップを埋めるために、自分の希望する仕事を意思表明したり、OJTやOff-JTでスキルを高めたりすることができます。

このようなエコシステムを構築することで、人材情報がさらに蓄積され、アウトプットの品質が高まり、エンゲージメントやWell-beingの向上に寄与します。

エコシステムをうまく回していくポイント

エコシステムをうまく回していくポイントは、まずはTMSの活用を社員一人一人に浸透させていくことにあります。そして評価制度の運用精度の向上です(図12)。

評価制度の運用の図
図12 評価制度の運用

まず目標設定(Plan)では、組織の事業計画や戦略から落とし込まれた目標になっているのか、本人が目指したいビジョン、開発したい能力を落とし込んだ目標になっているかを基に立てる必要があります。そして、その目標に沿った日々の行動(Do)をし、最終的に人事評価(Check)につなげていく基本サイクルを回す必要があります。

しかし、このPlan、Do、Check、がそれぞれ独立している、イベント化してしまっている、と多くの組織でお聞きします。データの入力が適切になされ、うまく回す仕組みをつくることが重要です。

4.まとめ 

弊社が支援する多様な組織の活動内容から、効果的に人的資本経営を実践する手法について、段階的かつ具体的な指針を解説しました。「あるべき姿(To be)」と「現状の姿(As is)」「行動計画(Action plan)」を明確にし、実践していくことがとても大切です。また、その実践に欠かせないタレントマネジメントシステムの活用においても、ヒューマンキャピタルのエコシステム、特に、組織視点・社員視点双方で活用できるエコシステムを実現することが非常に重要です。
本レポートが、少しでも皆さまの人的資本経営の実践にお役立ていただけると幸いです。

レポート作成:株式会社ビジネスコンサルタント 情報提供サイト事務局

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