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エンゲージメントサーベイは無駄?導入するメリットと効果的な活用方法を解説!

エンゲージメントサーベイは、社員のモチベーションや組織へのコミットメントを測定するツールです。しかし、目的の不明確さやフィードバックの欠如、サーベイ結果の活用不足によって、エンゲージメントサーベイが無駄になってしまうことも少なくありません。本記事では、エンゲージメントサーベイを活用する際に企業が直面する主な課題を挙げ、無駄にしないためのポイントを解説します。

1.エンゲージメントサーベイとは

ビジネスにおけるエンゲージメントとは、社員が自身の仕事や職場に対する愛着心や貢献したいと思う忠誠心などを指し、企業の成長や業績の向上につながると期待されています。エンゲージメントサーベイは、社員のモチベーション、職場の満足度、組織への帰属意識などの要素を数値化することで課題を把握し、改善を図るための調査ツールです。

2.エンゲージメントサーベイが無駄になってしまう三つの理由

エンゲージメントサーベイは、社員の満足度や組織へのコミットメントを測定する有効なツールですが、さまざまな理由で効果を十分に発揮できない場合があります。ここでは、その主な理由を三つ紹介します。

目的が明確でない

エンゲージメントサーベイが無駄になる主な理由として、まず挙げられるのは「目的の不明確さ」です。サーベイの目的を社員が理解できていなければ、日常業務を優先し、サーベイへの回答率が低下してしまいます。

そして、サーベイを実施する背景に「何かあるのではないか」と不安に思い、率直な回答を避けることもあるため、サーベイの目的を社員に伝え理解を得る必要があります。また、経営層が理解できていなければ、サーベイ結果をどのように活用すべきか、方針は得られません。

エンゲージメントサーベイの成功は、経営層や社員がその目的と重要性を理解しているかどうかに大きく依存します。明確なコミュニケーションを通じて、サーベイの目的を社員に伝え、協力を促すことが重要です。

結果のフィードバックがない

サーベイ結果を社員にフィードバックしないことも、エンゲージメントサーベイの効果を損なう要因です。社員は自分たちの意見がどのように扱われているかを知ることで、組織への信頼感を高め、より積極的にサーベイに参加するようになります。フィードバックは、サーベイの成果を最大化するために不可欠です。

サーベイ分析の結果が改善に生かされない

サーベイを実施しても、その分析結果が具体的な改善策に結び付かなければ、社員のエンゲージメントは向上しません。サーベイの結果を生かすためには、データを詳細に分析し、実行可能なアクションプランを策定することが重要ですこれにより、サーベイは単なる形式的なイベントではなく、実質的な改善を促すツールとなります。

3.エンゲージメントサーベイを無駄にしない活用のポイント

エンゲージメントサーベイを無駄にせず有効に活用するためには、いくつかの重要なポイントがあります。サーベイを単なる手続きとしてではなく、組織の成長と社員の満足度向上につなげる強力なツールとして利用することが重要です。サーベイを無駄にしない四つのポイントについて解説します。

エンゲージメントサーベイを無駄にしない4つの活用ポイントを説明する図
図1 エンゲージメントサーベイを無駄にしない活用のポイント

①社員のエンゲージメントサーベイ目的の理解促進に努める

サーベイの成功は、社員がその目的と重要性を理解しているかどうかに大きく依存します。社員にサーベイの目的を「職場の環境を改善するためにサーベイ結果を活用します」などと、明確に伝えることが重要です。サーベイによって組織が改善されることをイメージできるように伝え、協力したいと思ってもらえるように努めましょう。

社員がサーベイに対してより積極的に参加することで、率直な回答を得ることができ、有意義なフィードバックが可能になります。

②組織の改善施策に管理職を巻き込む

エンゲージメントサーベイの結果を活用して組織の改善を図るには、管理職の積極的な関与が不可欠です。管理職がサーベイの結果を基に、チームや部署の具体的な改善策を立案し、実行するよう促します。管理職がサーベイの重要性を理解でき、結果として、管理職を巻き込むことにつながります。

③エンゲージメント向上の仮説を設定する

エンゲージメントサーベイを実施する際には、単に現状を把握するだけでなく、エンゲージメントを向上させるための仮説を立てることが重要です。仮説とは「おそらくこうなるであろう」と思う仮の答えです。

エンゲージメント向上のための仮説を設定することは、サーベイの設計と結果の解釈に役立ちます。具体的な改善策の策定に向けた基盤となります。

④依頼の仕方を工夫する

最後に、エンゲージメントサーベイを無駄にしないためには、社員への依頼の仕方も重要です。依頼する手段として、形式的なメールを社員に一斉送信する企業がほとんどですが、これだけでは社員の参加意欲を引き出すことは困難です。

依頼の工夫としては、まず経営層や管理職がサーベイの重要性を説明し、どのように組織の改善に役立つのかを具体的に示すことが肝要です。このような工夫は、高い回答率だけでなく、質の高いフィードバックを得るためにも不可欠です。

以上四つのポイントを踏まえることで、エンゲージメントサーベイは単なるデータ収集の手段ではなく、組織の成長と社員の満足度向上を実現するための強力なツールとなります。

4.エンゲージメントサーベイを実施するメリット

エンゲージメントサーベイを適切に実施することで、社員個々人のモチベーション向上から組織全体の生産性の向上に至るまで、幅広い影響が期待できます。ここでは、エンゲージメントサーベイがもたらす主なメリットについて解説します。

エンゲージメントサーベイを実施するメリットを3つ説明する図
図2 エンゲージメントサーベイのメリット

社員のモチベーション向上

エンゲージメントサーベイで社員が率直な意見を出すことによって「自分が組織改善の一端を担っている」と感じてもらうこともメリットとして挙げられます。このような感覚を社員に抱いてもらうことは、社員のモチベーションを高め、より積極的に業務に取り組む姿勢を促します。また、社員が自身の仕事に対してより大きな責任感を持つようになり、全体としての業務の質が向上することにつながります。

組織の生産性向上

社員のエンゲージメントが高まると、組織の生産性向上につながります。エンゲージメントの高い社員は、より創造的で効率的な働き方をし、チームやプロジェクトの成果に大きく貢献します。

エンゲージメントサーベイによって、社員へのスキルアップ支援、多様な働き方の実現、適正な評価など、組織の改善策が明確になります。このような取り組みは、社員のエンゲージメントを高め、組織全体としての生産性が向上し、競争力の強化と事業の成長が期待できます。

離職率の低下

エンゲージメントサーベイを通じて社員の不満や懸念を早期に把握し、課題解決に取り組むことは、離職率の低下に大きく貢献します。社員は、組織から自分の意見を聞かれ、問題解決に取り組んでくれていると感じることで、組織への信頼感が生まれ、より長く組織にとどまる傾向があります。離職率の低下は、貴重な人材の流出を防ぎ、組織の安定と成長をもたらします。

以上のメリットを最大限に生かすためには、サーベイの計画、実施、分析、フィードバックの各段階を慎重にマネジメントすることが重要です。

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5.エンゲージメントサーベイを最大限活用するために

エンゲージメントサーベイを無駄にせず、よりよい組織づくりにつなげるためには、戦略的なアプローチが必要です。サーベイの結果を単に収集するだけでなく、組織の成長と社員の満足度向上に結び付けることが重要です。ここでは、サーベイを最大限に活用するための具体的な方法を探ります。

管理職を対象としたワークショップに活用する

弊社のコンサルティング経験では、多くの企業がエンゲージメント調査の結果を管理職にのみフィードバックし、管理職がその結果を基に改善策を検討し、経営層に提案するという使い方をしています(図3)。

サーベイ結果の活用範囲とその実施状況を事務局~管理職、経営幹部、部門間で表した図
図3 サーベイ結果の活用範囲

エンゲージメントサーベイの結果を効果的に活用する方法の一つは、管理職を対象としたワークショップを実施することです。経営層への提案にとどまらず、図4でいう4,5,6の範囲まで活用することをお勧めします。

管理職は社員の意見やその背景にある事実や真意を直接理解し、チーム内の問題点や改善の必要性を認識できます。また、管理職がサーベイの結果に基づいて具体的な行動計画を立てることで、素早く職場改善ができるでしょう。

職場での計画的な取り組みによって、メンバーは自分たちの意見が改善に反映されていることをより強く実感することができます。

課題解決を目的とした研修を実施する

サーベイで明らかになった課題に対処するための研修や、トレーニングプログラムの実施も効果的です。社員は自身のスキルを向上させるとともに、組織内の問題を解決するための具体的な方法を学ぶことができます。

研修を実施することによって、解決策の策定と実行が可能になります。能力開発をすることで、社員のモチベーションや組織へのエンゲージメントが向上し、組織の成長を促進します。

エンゲージメントサーベイを継続的に実施し、組織の状態を把握する

エンゲージメントサーベイは1度きりの活動ではなく、定期的に実施することが重要です。継続的なサーベイにより、組織の状態を常に把握し、変化に迅速に気付き、対応することが可能になります。また、定期的なサーベイは組織が社員の一人一人の意見を大切にし、組織運営の重要な指標としているというメッセージにもなります。

以上のような方法でエンゲージメントサーベイを活用することで、社員の満足度と組織のパフォーマンスの両方を高めることができます。

6.エンゲージメントサーベイ導入後の注意点

エンゲージメントサーベイを導入し、効果をもたらすには、戦略的なアプローチと社員のニーズへの配慮が必要です。サーベイの設計から実施、結果の分析に至るまで、各段階での注意点を理解し、適切な対応を行うことが重要です。以下は、エンゲージメントサーベイを導入する際の注意点です。

経営層と目的を共有する

エンゲージメントサーベイの成功は、経営層からのサポートと理解に大きく依存します。サーベイの目的と期待される成果を経営層と共有し、彼らの積極的な関与を強めることが重要です。経営層がサーベイの重要性を理解し、その結果を組織の戦略に反映させることで、サーベイの効果は大きく高まります。

社員の負担を軽減する

サーベイの実施は、社員にとって日常業務の負担にならないように配慮する必要があります。サーベイ実施頻度や設問数が増えすぎないように配慮し、社員が容易に回答できるようなシステムを導入することなどが重要です。社員の負担を最小限に抑えることで回答率を高め、質の高いフィードバックを得ることができます。

7.まとめ

エンゲージメントサーベイを適切に実施することで、社員のモチベーション向上、組織の生産性向上、離職率の低下など、多くのメリットをもたらします。サーベイを無駄にしないためには、実施する目的を明確にし、調査結果を効果的に活用する必要があります。また、経営層のサポートを得ること、社員に負担を掛けないようにする配慮が不可欠です。エンゲージメントサーベイを戦略的に活用することで、組織は持続的な成長と社員の満足度向上を実現できるでしょう。

レポート作成:株式会社ビジネスコンサルタント 情報提供サイト事務局