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あなたはどのリーダータイプ?リーダーシップの種類や理論から考える

あなたはどのリーダータイプ?リーダーシップの種類や理論から考える

リーダーにはさまざまなタイプがあります。効果的にチームや組織を導くためには、自身のリーダーシップタイプを把握し、生かすことが重要です。本記事では、リーダーシップ研究の変遷、ダニエル・ゴールマンのリーダーシップ分類やPM理論を始め、さまざまなリーダーのタイプを解説します。

1.リーダーとは

リーダーとは、組織やチームを導き、目標達成に向けて人々を動かす人物を指します。リーダーは、特定の個人を指し、組織やチームを導く責任を持つ人物です。

リーダーの役割とは

リーダーの役割は、組織の方向性を示し、メンバーを巻き込みながら目標の設定を行い、計画の実行と管理することです。この過程で、リーダーは「何をしたいか」ではなく、「何をすべきか」を重視して行動します。

リーダーとリーダーシップの違い

リーダーシップは、リーダーが発揮する影響力を意味します。弊社では、リーダーシップを「与えられた状況の下で、特定の目標や課題の達成に向かって、人間(個人または集団)の活動に対して、影響を与える力(パワー)の行使のプロセスである」と定義しています。リーダーがリーダーシップを効果的に発揮するためには、組織の使命を明確に示し、メンバーの模範となる姿勢を示すことが大切です。

このように、リーダーとリーダーシップは切っても切り離せない関係にあります。リーダーが、リーダーシップを発揮することができれば、チームや組織の成功につながります。
リーダーとしての役割を果たすためには、リーダーシップの本質を学び、実践することが重要です。

2.リーダーシップ研究の変遷

リーダーシップの研究は、時代とともに進化し、多くの理論が提唱されてきました。これらの理論は、リーダーシップの本質を解明し、効果的なリーダーシップの特性や行動を明らかにすることを目的としています。以下では、特性理論、行動理論、状況適合理論という3つの主要な理論について詳しく見ていきます(図1)。

リーダーシップ研究の変遷を表す図
図1 リーダーシップ研究の変遷

特性理論

特性理論は、リーダーシップの初期の研究です。この理論は、優れたリーダーには共通する特性が存在すると仮定し、その特性を解明しようとするものです。特性理論は、リーダーシップの成功を予測するためにリーダーの持って生まれた能力や特質に焦点を当てます。

特性理論では、過去にも優れたリーダーにはいくつかの共通する特性があるとされています。例えば、カリスマ性、決断力、誠実さ、知識の豊富さなどが挙げられます。このような特性に注目し、それがリーダーシップの効果にどのように影響するかを探求しています。

行動理論

特性理論の次に提唱されたのは、行動理論です。この理論は、リーダーの特性ではなく、その行動に焦点を当てます。行動理論では、優れたリーダーがどのように行動するかを学ぶことができます。

行動理論は、リーダーシップのトレーニングと開発に役立つ具体的な指針を提供し、多くの組織で採用されました。この理論では、リーダーの行動を2つの側面で捉えました。1つは、リーダーがどのように目標達成に向けて具体的に計画し、指示をするかという行動で、もう1つはリーダーがメンバーとの良好な関係を構築し、支援とフィードバックを重視する行動です。

状況適合理論

状況適合理論は、リーダーシップの効果が状況に左右されることを主張しています。この理論は、特定のリーダーシップスタイルが全ての状況で効果的であるとは限らず、状況に適合した行動のみが効果を発揮するという考え方です。

状況適合理論では、リーダーは状況の特性やメンバーのニーズに応じてリーダーシップのアプローチを柔軟に変える能力が求められています。例えば、メンバーが新しいタスクに不安を感じている場合、リーダーは具体的な指示を出し、タスクの実行方法を詳細に説明します。一方、メンバーが高いスキルと経験を持ち、自律的に業務を遂行できる場合、リーダーは最低限の指示を出し、メンバーに大きな裁量を与えます。

状況適合理論はリーダーシップにおける柔軟性と適応力の重要性を説いています。行動理論に比べ、状況分析と適切な対応が求められますが、より複雑な環境への対応を可能にしました。

今日では、さまざまな状況に適したリーダーシップのタイプがこの理論を基に研究されています。

3.リーダー4つのタイプ(PM理論)

行動理論の代表的な理論が、PM理論です。リーダーシップを目標達成機能(P機能)と集団維持機能(M機能)2つに分け、それぞれの機能に基づいてリーダーを4つのタイプに分類しています(図2)。

PM理論モデルの図
図2 PM理論モデル 出典:三隅二不二『新しいリーダーシップ』(1966)ダイヤモンド社

P機能(目標達成機能とは)

P機能(目標達成機能)は、リーダーがチームや組織の目標を達成するために必要な業務や課題に関する機能です。この機能には、目標設定、計画立案、タスクの割り当て、進捗管理、成果の評価などが含まれます。

例えば、プロジェクトの期限を設定し、その達成に向けて必要なリソースを配分し、各メンバーの役割を明確にすることもP機能の一部です。P機能を重視するリーダーは、結果に焦点を当て、チームが効率的に動くための環境を整えます。

M機能(集団維持機能とは)

M機能(集団維持機能)は、リーダーがチームの団結力を維持し、メンバーの満足度やモチベーションを高めるための機能です。この機能には、コミュニケーションの促進、チームビルディング、メンバーのサポート、コンフリクトマネジメント、チームの士気の向上などが含まれます。

例えば、定期的なチームミーティングを開催し、メンバーの意見を聞いて共通の問題を解決するための協力を促進することもM機能の一部です。M機能を重視するリーダーは、メンバーが安心して働ける環境をつくり、チームの一体感を高めます。

PM理論の4つのリーダータイプ

PM理論によると、リーダーは以下の4つのタイプに分類されます。それぞれのタイプは、P機能とM機能の組み合わせに基づいています。

PM型リーダー

このタイプのリーダーは、目標達成機能と集団維持機能の両方に優れています。チームの目標を達成し、メンバーの満足度と団結力を高めます。4つのタイプの中で最適なリーダー行動とされています。

Pm型リーダー

Pm型リーダーは、目標達成機能に特化したリーダーです。成果を上げることに集中し、効率的に目標を達成するための計画と戦略を提供しますが、集団維持機能にはあまり注力しません。

pM型リーダー

pM型リーダーは、集団維持機能に特化したリーダーです。チームの団結力とメンバーの満足度を高めることに注力しますが、目標達成機能にはあまり関与しません。

pm型リーダー

pm型リーダーは、目標達成機能と集団維持機能の両方が低いリーダーです。このタイプのリーダーは、チームの目標達成やメンバーの満足度向上にあまり寄与しない傾向があります。

4.さまざまなリーダーシップのタイプ

行動理論の後、状況適応論が単純な状況要因を考慮していたのに対し、変革型リーダーシップ理論では組織の複雑性や不確実性により焦点を当てるようになりました。以下に、代表的なリーダーシップのタイプを紹介します。

変革型リーダーシップ

変革型リーダーシップ(トランスフォーメーショナル・リーダーシップ)は、リーダーが明確なビジョンや方向性を提示し、メンバーにそのビジョンを共有し、動機づけを行います。この理論は、組織やチームに大きな変革をもたらすことを目的としたリーダーシップ理論です。

変革型リーダーシップは、変革型リーダーは組織やチームの文化を変え、新しい価値を生み出すことに寄与します。

シェアードリーダーシップ

シェアードリーダーシップは、リーダーシップの役割をチーム全体で共有し、メンバー全員がリーダーシップを発揮することを求めます。この理論は、従来のトップダウン型リーダーシップとは異なり、特に知識労働者が多いチームや、創造的なプロジェクトにおいて効果的です。

シェアードリーダーシップは、メンバーのエンゲージメントを高め、メンバーの強みを生かすことができます。共同の責任感と相互のサポートが、チームの成功につながります。

サーバントリーダーシップ

サーバントリーダーシップは、リーダーが自分自身を奉仕者と捉え、メンバーの成長と幸福を最優先に考え行動することでリーダーシップを発揮します。このタイプは、長期的な組織の健康と持続可能な成果を生み出すのに適しています。

サーバントリーダーシップは、共感、傾聴によって、メンバーのニーズを理解し、他者の成長を促進することで、彼らが能力を最大限に発揮できるようにサポートします。

5.ダニエル・ゴールドマンの6つのタイプ

EQ(感情知能指数)の概念を広めた心理学者として知られているダニエル・ゴールドマンは6種類のリーダーシップタイプを提唱しています。各タイプは状況に応じて使い分けるべきで、1つだけでなく、複数のタイプを柔軟に使用することを推奨しています。これは、状況適合理論をさらに発展させたアプローチといえるでしょう。ここでは、ダニエル・ゴールマンのリーダーシップタイプについて詳しく解説します。

①ビジョン型リーダーシップ

ビジョンを共有し、目標に向かってチームを動かします。達成のプロセスはメンバーに委ね、チーム全員で試行錯誤しながら進むタイプで、長期的な方向性を示すのに適しています。

②コーチ型リーダーシップ

メンバー一人一人の特性を生かし、個々の希望を重視します。メンバーを支援しながら、組織の目標達成につなげるタイプで、人材育成に効果的です。

③関係重視型リーダーシップ

チーム内の調和やメンバーの感情の気持ちを大切にし、信頼関係を構築するタイプです。特にチームビルディングやメンバー間の信頼が重要な時期に効果を発揮します。

④民主型リーダーシップ

メンバーからの意見を積極的に取り入れ、合意を形成しながら意思決定を行うタイプです。チームの意思決定プロセスにおいて、メンバーのエンゲージメントを高めるのに適しています。

⑤ペースセッター型リーダーシップ

リーダー自ら高いパフォーマンスを発揮し、手本を示すタイプです。チームのパフォーマンス向上を図るため、メンバーにも同じレベルを求めます。短期的な成果に有効ですが、長期的にはメンバーが疲弊する可能性があり、スキルの高いチームに適しています。

⑥強制型リーダーシップ

メンバーに直ちに指示や命令に従うことを求めるタイプです。緊急時や危機的状況での迅速な対応に適しています。通常の状況では、メンバーのモチベーションを低下させる可能性があります。

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6.リーダーシップ理論を取り入れる際のポイント

リーダーシップ理論を実際の組織運営に取り入れる際のポイントは、理論の理解を深めることです。特定のリーダーシップ理論がどのような状況で効果的なのかを理解し、自分の組織やチームの状況を判断し、最も適した理論を適応することが重要です。
そのためには、チーム状況やメンバー、組織の状況を正確に判断できるよう、チームやメンバーとの対話や部門を超えて情報収集するなど、日頃から情報収集に怠らないようにしましょう。

7.まとめ

リーダーがリーダーシップを発揮することは、ビジネスの成功に不可欠な要素です。本記事では、リーダーとリーダーシップの違いから始まり、リーダーシップ研究の変遷、PM理論に基づくリーダーのタイプなどさまざまなリーダーシップタイプについてご紹介しました。リーダーシップタイプの理解を深めることは、効果的にリーダーシップを発揮するための第一歩です。リーダーシップ開発やリーダーの育成に関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。貴社のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。

レポート作成:㈱ビジネスコンサルタント 情報サイト事務局

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